【2023年上半期】株価上昇率が最も高かった半導体銘柄8社

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【2023年上半期】株価上昇率が最も高かった半導体銘柄8社

「半導体株に投資したい」

「おすすめの半導体銘柄を教えてほしい」

あるいは

「半導体業界に転職したいから、今伸びている会社が知りたい」

このような疑問にお答えします。

こんにちは。はくです。

2019年に大学院を卒業し、現在は半導体製造装置メーカーで機械設計エンジニアとして働いています。

本記事では、2023年上半期に株価上昇率が高かった半導体銘柄8社をランキング形式で紹介します。

なぜ株価が上昇したのかという理由や、各企業の簡単な特徴も合わせて紹介しているので、半導体株への投資を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むとわかること

  • 半導体株が上昇している理由がわかる
  • おすすめの半導体銘柄がわかる
  • 半導体株に投資する時の注意点がわかる
目次

今、半導体株が伸びている理由は?

この記事を書いている2023年6月現在、日経平均株価が33年ぶりの高値を更新するなど日本株の好調が続いています。

ちなみに、日経平均株価とは、日経新聞が東証プライム市場から選定した225銘柄の平均株価のこと。

そして、この日経平均の伸びをけん引しているのが、半導体関連株の上昇です。

半導体株が上昇している理由はいくつかありますが、主要因の1つはAI半導体の成長です。

AI半導体とは、AIの一種である深層学習(ディープラーニング)に必要な大量のデータを処理するための半導体のこと。(引用)

たとえば、Chat GPTは膨大なデータを学習することで、質問に対して適切な回答をする「テキスト生成AI」です。

近年、Chat GPTに代表される生成AIが発展しており、そのデータ処理や計算に使われるAI半導体の需要が高まっています。

そして、このAI半導体の台頭で今最も注目されているのが、アメリカの半導体メーカーNVIDIAです。

NVIDIAは、画像処理を行うGPUに特化した半導体ファブレス企業で、ゲーム用GPUで培った技術をAI・ディープラーニング・自動運転開発などに応用​しています。

2023年5月に市場予測を大幅に上回る好決算を発表すると、NVIDIAの株価は急騰しました。

さらに、NVIDIAの好決算を受けて、日本の半導体製造装置や材料メーカーの株価も上昇しています。

日本には、半導体製造の各工程でシェア1位を獲得している会社も多く、それらの企業の株価が上昇して、日経平均を押し上げたというのが最近の株価好調の背景です。

2023年上半期に株価上昇率が高かった半導体銘柄8社

ではここからは、好調な半導体関連メーカーの中でも特に株価の上昇率が高かったTop8社をランキング形式で解説します。

簡単に各企業の強みや主力製品も紹介するので、気になる企業はぜひチェックしてみてください。

第8位:ディスコ

ディスコは、半導体の「後工程」に強い製造装置メーカーです。

主力製品はウエハーを1つ1つのチップに切断するダイシングソー、薄く削るグラインダ、磨いて綺麗にするポリッシャの3つで、それぞれ世界シェア1位を獲得しています。

また、装置だけでなく、ウエハーを切断する「ブレード」やウエハーを削る「グラインディングホイール」など、装置で使われる加工ツールも製造・販売しているのも特徴。

これらは消耗品なので、装置とは別で安定した利益を生み出せるのが強みです。

ちなみに、ディスコの平均年収は1,383万円と超高水準。

半導体業界を代表する高年収企業なので、転職で年収アップを考えている方におすすめの会社です。

ディスコの企業解説はこちら

第7位:東京精密

東京精密は「精密位置決め技術」が強みの半導体製造装置メーカーです。

世界トップクラスのシェアを誇るウェーハプローバや、ダイシング装置、グラインダ、ポリッシャ、CMP装置などを開発しています。

ウェーハプローバは、ウエハー上に形成された全てのチップの電気的特性を試験する装置です。

近年、半導体の微細化にともなって信頼性に対する要求が高まっており、プローバの重要性が高まっています。

東京精密は本社が東京の八王子にあり、生産・開発拠点も八王子工場です。

したがって、東京勤務がしたい方にはおすすめの企業と言えます。

東京精密の企業解説はこちら

第6位:マクニカ

マクニカは、半導体の仕入れ・販売を行う専門商社です。

半導体商社では国内首位の売上高を誇ります。

特定メーカーの製品のみを扱う半導体商社を「メーカー系」、メーカーに依存せずさまざまな製品を扱う商社を「独立系」と言いますが、マクニカは後者の独立系商社です。

独立系商社は、取り扱い商材に制限がなく多くの仕入先から最適な製品を選び販売できるのが強み。

顧客の要求に応じて営業できます。

ちなみに、半導体商社では、半導体に関する専門知識が求められるため、理系社員も多く活躍しています。

会社によっては設計・開発を行う商社もあるため、技術系職種も応募可能です。

マクニカの企業解説はこちら

第5位:サンケン電気

サンケン電気は、パワー半導体の設計・開発・製造を行う半導体メーカーです。

パワー半導体は、電力の制御や変換に特化した半導体のこと。

メモリやロジックと違い、日本企業が強い分野でもあります。

サンケン電気の主な製品は、自動車・白物家電・産業/民生機器向けのパワー半導体です。

とくに、自動車向けは売上高の5割を占める主力事業で、近年のハイブリッド車や電気自動車、自動運転技術に欠かせない製品を提供しています。

ちなみに、サンケン電気はワークライフバランスを重視する職場であることも特徴。

残業は月平均11.5時間で年間休日は130日と、働きやすい環境が整っています。

サンケン電気の企業解説はこちら

第4位:SCREENホールディングス

SCREENホールディングスは、京都に本社を置く半導体製造装置メーカーです。

ウエハーの汚れを取り除く洗浄装置に強く、世界シェア1位を獲得しています。

「洗浄」は各工程の前後で必ず行うので、SCREENが開発する洗浄装置は、半導体の前工程で最も使用頻度が高いのが強みです。

また、SCREENは女性の活躍推進に積極的な企業としても有名。

育休取得率・復職率はともに100%で、各種休暇制度も充実しているため、子育てをしながら仕事を続ける環境が整っています。

SCREENの企業解説はこちら

第3位:ルネサスエレクトロニクス

ルネサスエレクトロニクスは、2022年の売上高ランキングで国内首位の半導体メーカーです。

三菱電機・日立製作所・NECの半導体部門が統合してできた会社で、世界でも16位にランクインしています。

ルネサスエレクトロニクスが得意とするのは、半導体の中でも「マイコン」と呼ばれる機器を制御するための半導体。

とくに、自動車の制御に使われる車載マイコンでは世界シェア1位を誇ります。

コロナによる巣ごもり・テレワーク需要が一巡して以降、車載半導体の需要が高まっており、日本の半導体メーカーでも将来性が期待される企業の1つです。

ルネサスエレクトロニクスは、売上高の約7割が海外と、グローバルに事業を展開しています。

女性の活躍推進にも積極的なので、英語力を生かして働きたい方、グローバルに働きたい方におすすめです。

ルネサスエレクトロニクスの企業解説はこちら

第2位:アドバンテスト

アドバンテストは、半導体検査装置に強い製造装置メーカーです。

半導体チップやウェーハの電気特性を測る半導体テスタで世界シェア1位を獲得しています。

東京精密のところでも言いましたが、半導体の微細化・高集積化にともなって、信頼性に対する要求が高まっています。

それと同時に検査装置の需要も伸び続けており、今後も成長が期待できる分野でトップシェアを獲得しているのがアドバンテストの強みです。

また、アドバンテストは平均年収1,019万円と年収が高い企業としても有名。

一方で、残業は20.6h/月と少なめなので、年収と残業を両方重視する方に最適の企業です。

アドバンテストの企業解説はこちら

第1位:ソシオネクスト

ソシオネクストは、2015年に富士通とパナソニックの半導体事業が統合してできた半導体ファブレス企業です。

1つの基板上にCPUやメモリなど各素子を実装した「SoC」と呼ばれる半導体チップを設計・開発しています。

ソシオネクストは、設立当初、ASSPと呼ばれる標準ICを開発していました。

しかしながら2018年に社長が変わると、主力事業をASSPから、顧客ごとに差別化されたカスタムICに切り替えます。

これによって、注力製品を民生機器から、自動車やスマートデバイス、データセンターなどに変更し大きく業績を伸ばしました。

日本の半導体メーカーの中でも数少ないファブレス企業で、投資家から今最も注目されている企業です。

ソシオネクストの企業解説はこちら

半導体株に投資する時の注意点

以上、2023年に株価上昇率が高かった半導体銘柄8社を紹介しましたが、さいごに半導体株へ投資する際の注意点を2つ紹介します。

  • ボラティリティが大きい
  • 株価が高い

ボラティリティが大きい

「ボラティリティ」とは、株価の変動のことです。

半導体業界の特徴として、好況と不況を数年周期で繰り返す「シリコンサイクル」があります。

半導体の需要と供給のバランスによって、業界全体として設備投資や生産が活発になる時期と、需要が一巡して在庫を抱える時期を繰り返してきました。

半導体の開発サイクルや、設備投資から実際に工場が稼働するまでの期間を考慮すると、この受給のバランスはある程度仕方のないことが、それに伴って株価も変動が大きくなってしまうため、投資家にとってはリスクも大きいのがデメリットと言えます。

リスクを小さくする方法としては、半導体以外にも分散投資する、毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を使うなどの方法があります。

株価が高い

もう1つの注意点は、半導体銘柄は1株あたりの価格が高い会社が多いこと。

たとえば、今回紹介した企業を見ると、2023年6月30日時点の株価はソシオネクスト20,780円、アドバンテスト19,150円、SCREEN16,240円です。

日本の株は100株ごとに買うのが基本なので、これらの企業に投資する場合は、100万円以上の資金が必要になります。

普通の会社員や投資初心者の方にとって、いきなり100万円以上を投資するのは、ちょっとリスクが高いですよね。

資金不足を解決する方法としては、半導体銘柄にまとめて投資できるETFや投資信託を購入すること、1株から買える証券会社を利用することが挙げられます。

ドルコスト平均法とは

価格が変動する商品に対して、「一定金額」「定期的」に購入する方法。
投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)が多く、高いときには購入量(口数)が少なくなり、平均購入単価を抑えられるメリットがある。

まとめ

【2023年上半期】株価上昇率が最も高かった半導体銘柄8社

以上、2023年上半期に株価上昇率の最も高かった半導体銘柄を紹介しました。

本サイトでは、半導体業界の優良企業をわかりやすく解説しているので、ぜひ他の記事の見てみてください!

【2023年上半期】株価上昇率が最も高かった半導体銘柄8社

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この記事を書いた人

半導体製造装置メーカーで機械設計をしてます。

●年齢:28歳・社会人5年目
●目標:半導体業界の魅力を伝えること

「半導体業界のリアルな働き方」をテーマに、本業で学んだ内容を発信しています。
ツイッター・インスタグラムも毎日投稿しているので、ぜひフォローお願いします。

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