「フェローテックホールディングスって何を作っている会社?」
「フェローテックホールディングスの強み・弱みは?」
「具体的な働き方や年収、残業時間、将来性が知りたい…!」
このような疑問にお答えします。
こんにちは。はくです。
2019年に大学院を卒業し、現在は半導体製造装置メーカーで機械設計エンジニアとして働いています。
本記事では、半導体業界の優良企業紹介として「フェローテックホールディングスの特徴」を解説します。
この記事を読むとわかること
- フェローテックホールディングスの企業情報
- フェローテックホールディングスの働き方
- フェローテックホールディングスの強み・弱み
フェローテックホールディングスの基本情報
はじめに、フェローテックホールディングスの基本情報は以下のとおり。
売上高 | 2,108億円 |
営業利益 | 350億円 |
営業利益率 | 16.6% |
海外売上比率 | 85.9% |
研究開発費 | 55億円 |
設備投資費 | 570億円 |
平均年収 | 881万円 |
従業員数(単独) | 72人 |
連結従業員数 | 9,348人 |
平均年齢 | 48.4歳 |
勤続年数 | 12.5年 |
残業時間 | 非回答 |
本社 | 東京 |
勤務地 | 東京、千葉、石川、など |
初任給(学部卒/修士卒/博士卒) | 23万円/25万円/27万円 |
採用人数 | 10~15名 |
フェローテックホールディングスの特徴
つづいて、フェローテックホールディングスは具体的に何の会社かを説明します。
フェローテックホールディングスは、主に半導体製造の前工程で使われる部品・材料を開発するメーカーです。
世界シェア約7割を誇る真空シール、ウエハーの固定や洗浄槽として使われる石英製品、エッチング装置で使われるセラミックス製品などがあります。
フェローテックの設立は1980年ですが、その起源はアメリカのフェローフルイディクス社です。
フェローフルイディクス社1960年代、人類初の月面着陸を達成したアポロ計画において、無重力環境で液体燃料を輸送するための「磁性流体」を開発した会社。
この磁性流体が、フェローテックの真空シール技術に応用され、現在では半導体製造装置で世界トップシェアを獲得しています。
その名の通り、磁性を持ち、磁石にくっつく流体のこと。
回転軸のシールや自動車のダンパーなどに用いられる。
また、フェローテックのもう1つのコア技術が、正確な温度コントロールができるサーモモジュールです。
電気を流すと温度差が生じる半導体冷熱素子(ペルチェ素子)で、半導体製造装置や自動車、家電、医療機器などに使われます。
真空シールと同じく世界トップシェアを誇るフェローテックのコア技術です。
フェローテックホールディングスの強み
ここからは、実際に半導体業界で働く僕が思うフェローテックホールディングスの強みを解説します。
フェローテックホールディングスの強み
- ニッチトップ
- グローバルな経営
ニッチトップ
さきほど説明したように、フェローテックホールディングスは、真空シールとサーモモジュールで世界トップシェアを獲得しています。
どちらも専門外の方には馴染みのない製品ですが、半導体製造装置や電子デバイスには欠かせない重要部品です。
たとえば、半導体は小さなゴミが不良の原因となるため、真空下で製造されます。
したがって、真空状態で動力を伝達するためには真空シールが不可欠。
ほぼすべての工程で、フェローテックの真空シールが使われています。
最近では、真空シール技術をCTスキャンやMRIにも応用する開発を進めているとのことです。
また、真空シールやサーモモジュール以外に、石英製品、セラミックス、シリコンパーツなどの消耗品も製造しています。
半導体不足による需要増で売上高を伸ばしているほか、定期交換による安定した需要も見込めるのが強みです。
グローバルな経営
フェローテックホールディングスは海外売上比率85.9%とグローバルに事業を展開。
国別で見ると中国が4割超と最も高く、ついでアメリカが約3割となっています。
また、製造も中国を中心に8割を海外で行っており、中国の国家プロジェクト「中国製造2025」を追い風に売上を伸ばしました。
一方で、気になるのが米中対立による地政学リスクの影響ですが、近年フェローテックでは「国内回帰」を掲げて日本で新工場の建設を進めています。
具体的には、TSMCが工場を建設する熊本県のほか、石川県にも工場を竣工。
中国や欧米で得た知見を活かして、国内の半導体産業への貢献に力を入れているのもポイントです。
フェローテックホールディングスが向いているのはこんな人
フェローテックホールディングスの就職情報については、情報が少なくあまり探せませんでした。
ただし、有価証券報告書の平均年収は881万円と比較的高いのが特徴。
勤務地は、東京本社か、千葉・石川・兵庫・岡山にある工場・開発拠点になります。
また、中国にも工場を持っているので、現地での海外勤務の可能性もあるでしょう。
地方で働きたい方や、グローバルに働きたい方にはおすすめと言えます。
フェローテックホールディングスの企業研究まとめ
フェローテックホールディングスの特徴をまとめます。
- 半導体製造装の前工程で使われる部品・材料を開発するメーカー
- 真空シール・サーモモジュールで世界トップシェア
- 石英製品・セラミックス・シリコンパーツなどの消耗材も製造
- サーモモジュール技術を応用したパワー半導体用基板も開発
- 海外売上比率8割以上で、とくに中国でシェアが高い
- 最近は国内回帰を掲げて、日本での生産能力拡大に力を入れている
以上です。
フェローテックホールディングスへの就職・転職を考えている方は、ぜひ今回の情報を参考にしてみてください!