【急回復!?】2024年の半導体市場予測をどこよりも早くまとめてみた

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【急回復!?】2024年の半導体市場予測をどこよりも早くまとめてみた

「2024年の半導体市場予測が知りたい」

「半導体業界の動向は今後どうなる?」

「実際の職場への影響は…?」

このような疑問を解決します。

こんにちは。はくです。

2019年に大学院を卒業し、現在は半導体製造装置メーカーで機械設計エンジニアとして働いています。

本記事では、2024年の半導体業界の動向と市場予測をわかりやすくまとめました。

2023年以前の状況や、実際の職場への影響にも触れているので、今後、半導体業界で働きたい・投資したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

この記事を読むとわかること

  • 2024年の半導体市場予測がわかる
  • 半導体業界の今後の動向がわかる
目次

好調だった2022年までの半導体業界

好調だった2022年までの半導体業界

まずはじめに、直近の半導体業界は、2020年から2022年にかけて市場が急拡大しました。

理由は、コロナ禍の巣ごもりで半導体の需要が急増したこと。

テレワークの普及や、ステイホームによるNetflixやゲームの普及によって、データセンターの数が増加し、それに使われる半導体の需要も急増しました。

「半導体不足で車や家電が作れない」というニュースを見た人も多いと思います。

これによって各社は売上を伸ばし、デバイスメーカーだけでなく、製造装置メーカーや材料メーカーなど、業界全体として市場が急拡大しました。

僕の会社も売上が急増し、入社2〜4年目でしたが、ボーナスはそこら辺の大手企業よりも高かったです。

(その分、残業は多かったですが、、、)

たとえば、2022年の冬ボーナスランキングはこんな感じ。

Top10に半導体関連の企業が7社ランクインしています。

順位社名業種ボーナス金額
1ディスコ半導体製造装置316万円
2東京エレクトロン半導体製造装置285万円
3トーセイ住宅・建設・不動産204万円
4スター精密工作機械・精密部品190万円
5東京エレクトロンデバイス半導体商社169万円
6MARUWAセラミックス162万円
7ショーボンドホールディングス住宅・建設・不動産156万円
8たけびし半導体商社155万円
9太陽ホールディングス素材・エネルギー153万円
10立花エレテック半導体商社145万円
2022年冬ボーナスランキングTop10(日本経済新聞のデータをもとに作成)
  • コロナによる巣ごもり需要で半導体市場は急拡大した
  • 半導体メーカーだけでなく、製造装置・材料メーカーなども業績が過去最高を記録した
  • 売上増にともなって賞与も増えた

2023年は一転、半導体市場はマイナス成長に

2023年は一転、半導体市場はマイナス成長に

2023年に入ると、巣ごもり需要が一巡し、半導体の需要も落ち着きます。

とくにデータの記憶・保存に使われるメモリ半導体は供給過剰による価格下落が発生しました。

日本企業では、フラッシュメモリで世界シェア2位のキオクシアが直近で大きく業績を落としています。

(ちなみに、僕もボーナスが下がって、年収が2022年より下がりました。。。)

最近のWSTS(世界半導体市場統計)の発表によると、2023年半導体市場規模は前年比9.4%減の5201億2600万米ドルになる予想のとのこと。

キオクシアほどではないですが、その他の半導体関連企業も、前年までプラス成長だったのが軒並み業績鈍化しています。

(各社の業績については、2023年の通期決算が発表されたらまたまとめようと思います。)

一方で、2023年後半からは、Chat GPTに代表される生成AI向けの需要が急増しました。

NVIDIAはその代表で、ディープラーニングの計算に同社のGPUが使われています。

最新モデルのGPU「H100」は、1基500万円という高価格ながら、世界中から注文が殺到している状態。

ちなみに、NVIDIAは自社で工場を持たないファブレス企業で、製造は台湾TSMCに委託しています。

  • 巣ごもり需要の一巡で、半導体市場は前年比マイナス成長の5201億2600万米ドル
  • とくにメモリ半導体の供給過剰による価格下落が大きい
  • 2023年後半からは生成AI向けの需要が急増

2024年の半導体市場は回復傾向

2024年の半導体市場は回復傾向

WSTSは、2024年の半導体世界市場は前年比13.1%増の5883億6400万米ドルになると予測しています。

さきほど挙げた生成AIに加えて、自動車や再生エネルギー向けのパワー半導体関連の需要が伸びる予想。

さらに、スマホやPCを含む電子機器全般の需要拡大にともなって、2023年に落ち込んだメモリ・ロジック・アナログICなども急回復する見込みです。

これを受けて日本の半導体製造装置メーカーも設備投資を進めています。

国内首位の東京エレクトロンの決算資料を見ると、2024年の研究開発費・設備投資費はともに過去最高となる予想。

社長の河合氏は、以下のように発言しています。

「生成AI向け市場の本格化を踏まえ、25年のWFE(市場)は過去最高の規模となる」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1062N0Q3A111C2000000/

また、国内では熊本のJASM(TSMC熊本工場)、北海道のラピダス、宮城のJSMC(SBIと台湾PSMCが設立する半導体工場)の動向にも注目したいところ。

TSMC熊本は第2工場の計画を発表していますし、ラピダスも米NVIDIAやIBM、カナダのテンストレント社との提携を発表しています。

2024年末には、国内初となるEUV露光装置の導入を計画中です。

  • 2024年の半導体市場は、前年比プラス成長の5883億6400万米ドル予測
  • 生成AIやパワー半導体のほか、メモリ・ロジック・アナログICも急回復する見込み
  • 国内では、JASM・ラピダス・JSMCなどの半導体ファウンドリ3社の動向にも注目

実際の職場への影響は?

実際の職場への影響は?

さいごに、こうした現状と予測を踏まえて実際の職場にはどう影響するか、半導体製造装置メーカーで働く僕の予想をお伝えします。

結論として、やること(仕事内容)は変わらないというのが僕の考えです。

開発職の場合、会社の業績が良くても悪くても仕事内容はほぼ変わりません。

業績が悪いからといって今やっている開発をやめることはないので、ボーナスが下がることはあっても、仕事が減るといったことはないです。

実際、2022年までと2023年で、僕の仕事内容は全く変わりませんでした。

一方で、その他の職種に関しては、会社の業績によっては仕事が減ることもあるようです。

先輩に聞いた話だと、リーマンショックの頃は装置の出荷台数が激減して、製造部(装置を組み立てる仕事)はやることがなかったとのこと。

リーマンショックのような例は少ないかもしれませんが、会社によっては派遣切りや早期退職を募集することもあるようです。

業績変動が大きい(シリコンサイクル)ことは、半導体業界で働くうえで避けては通れない道ですね。

まとめ:半導体市場は2030年に1兆ドルへ

まとめ:半導体市場は2030年に1兆ドルへ

以上、2024年の半導体市場予測をまとめました。

今回紹介したように、半導体業界は短期的には景気の上げ下げが激しいのが特徴です。

一方で、生成AIや自動運転、EV、5G、メタバース、、、など、半導体の需要は今後ますます拡大すると予想されています。

2023年現在約6000億ドルの市場は、2030年に1兆ドル規模に達すると見込まれており、長期的には右肩上がりに成長していくでしょう!

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この記事を書いた人

半導体製造装置メーカーで機械設計をしてます。

●年齢:30歳・社会人6年目
●目標:半導体業界の魅力を伝えること

「半導体業界のリアルな働き方」をテーマに、本業で学んだ内容を発信しています。
ツイッター・インスタグラムも毎日投稿しているので、ぜひフォローお願いします。

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